「B型から一般就労」という選択肢|未来図校 静岡キャンパスの就職実績と、20年間ひきこもっていた方の就職事例

「この子は、この先働くことができるのだろうか」

「長い間ひきこもっているけれど、今からでも仕事はできるのだろうか」

「B型には通っている。でも、このままずっとB型なのだろうか」

「一般就労を目指したいけれど、何から始めたらいいのかわからない」

そんな不安を抱えているご家族は少なくないと思います。

一般就労を目指す福祉サービスというと、「就労移行支援」を思い浮かべる方も多いかもしれません。

もちろん、就労移行支援は一般就労を目指すための大切な選択肢です。

でも、一般就労への道は一つだけではありません。

就労継続支援B型から、少しずつ一般就労を目指す。

そんな道もあります。

静岡市の就労継続支援B型事業所「未来図校 静岡キャンパス」では、2023年2月1日の開所以来、2026年9月現在までに7名の方が一般企業へ就職しました。

そのうち6名が現在も仕事を続けています。

直近1年間(2025年9月~2026年9月)では、3名が一般就労しました。

でも、最初から「就職できそうな人」が集まっていたわけではありません。

むしろ、一般就労から遠いところにいた方たちでした。

目次

開所以来7名が一般就労。現在6名が就労を継続

これまで未来図校から一般就労した7名の就職先は、次のような分野です。

・教育関係/30代/障害者雇用/週4日
・物流/40代/障害者雇用/週3日
・物流/40代/障害者雇用/週5日
・物流/30代/障害者雇用/週5日
・福祉/40代/障害者雇用/週4日
・福祉/40代/障害者雇用/週5日
・農業/30代/障害者雇用/週5日

2026年9月現在、このうち6名が就労を継続しています。

就職後についても、必要に応じて未来図校の就労定着支援や訪問型ジョブコーチなどを利用しながら、働き続けるためのサポートを行っています。

これまでに就労定着支援を利用した方は4名(現在利用中2名を含む)、訪問型ジョブコーチを利用した方は2名です。

私たちは、「就職できたら終わり」とは考えていません。

仕事を始めてから出てくる困りごともあります。

本人と企業、そして必要に応じて家族や関係機関とも連携しながら、働き続けるための支援を行っています。

「未来図校の利用者さんは、もともと能力が高いんでしょう?」と言われることがある

就職実績についてお話しすると、

「未来図校に来る人は、もともと就職できそうな人が多いんでしょう?」

と言われることがあります。

でも、実際は違います。

長期間仕事をしていなかった方。

他の福祉事業所から移ってきた方。

就職した経験はあっても、仕事が続かなかった方。

人とのコミュニケーションが苦手だった方。

生活リズムが大きく乱れていた方。

利用開始時には週5日どころか、週1日から通い始めた方もいます。

7名とも、利用開始時から一般就労が目前に見えていたわけではありません。

では、何が変わったのでしょうか。

20年間ひきこもっていた40代の方が、利用開始から8か月で就職

その一人が、40代のある利用者さんです。

未来図校を利用するまで、およそ20年間ひきこもる生活を送っていました。

生活は昼夜逆転。

外出するのは、深夜にコンビニへ行く程度でした。

仕事には就いておらず、人との交流もほとんどありませんでした。

お母様と二人で生活していましたが、親子で喧嘩になることも多い状態でした。

コミュニケーションが苦手で、自分の意見を相手に伝えることも得意ではありませんでした。

外へ出かけることにも大きなハードルがありました。

当時は、障害者手帳もなく、継続的に通っている医療機関もありませんでした。

それでも本人には、一つの気持ちがありました。

「企業で働きたい」

という気持ちです。

最初は「週1回・午前だけ」から始まった

未来図校の利用を開始したからといって、いきなり毎日通ってもらったわけではありません。

最初は週1回、午前中だけ。

そこから始まりました。

未来図校がまず大切にしたのは、就職活動ではありません。

安心して過ごせる居場所をつくることでした。

主に畑での作業などに参加してもらいながら、他の利用者さんと自然に関われる環境をつくりました。

コミュニケーションについて学ぶ機会も設けました。

少しずつ利用日数が増え、週1日から週2日へ。

昼夜逆転していた生活リズムにも変化が現れました。

他の利用者さんとも関われるようになりました。

そして、何より印象的だったのは、表情が明るくなっていったことです。

少しずつ、たくましさも感じられるようになりました。

「この仕事なら合うかもしれない」

その後、職場見学や企業実習など、少しずつ事業所の外へ活動を広げていきました。

そして未来図校のキャリアコンサルタントが、本人の特性やこれまでの様子を見ながら、

「この仕事なら、この人に合うかもしれない」

と考えた物流関係の企業がありました。

未来図校では、とにかくたくさんの求人に応募して、その中のどこかに採用されるという方法を基本にはしていません。

本人の希望、得意なこと、苦手なこと、生活状況などを考えながら、合う可能性の高い仕事を探します。

この方についても、ピンポイントで企業へつなぎました。

そして、いきなり面接を受けたわけではありません。

未来図校と企業側で事前に綿密な打ち合わせを重ねました。

そのうえで、

職場見学 → 実習 → 面接 → 採用

という段階を踏みました。

未来図校の利用を開始してから、8か月後のことでした。

20年間のひきこもり生活から、企業の「戦力」へ

現在、この方は物流関係の企業で障害者雇用として働いています。

勤務は週3日、1日2.5時間です。

長時間勤務ではありません。

でも、大切なのは時間の長さだけではないと私たちは考えています。

現在は仕事を休むことなく勤務を続けています。

そして企業からは、

「戦力になっている。勤務時間を増やせないだろうか」

という話までいただくようになりました。

20年間、ほとんど仕事や社会との接点がなかった人が、今では企業から必要とされる存在になっています。

変わったのは「仕事」だけではない

現在は実家を離れ、共同生活援助(グループホーム)で支援を受けながら生活しています。

金銭管理などにも福祉サービスが関わり、必要な支援を受けています。

生活のすべてが完璧になったわけではありません。

仕事が夕方から夜にかけてのため、それまで寝て過ごす日もあります。

部屋が散らかることもあるようです。

それでも食事をとり、清潔な身なりで生活し、仕事には休まず通っています。

そして、もう一つ大きく変わったことがあります。

以前は喧嘩が絶えなかったお母様との関係です。

現在は定期的に会い、他愛のない話をするなど、良好な親子関係を築いているそうです。

「就職した」という一つの結果だけではなく、その人の暮らしそのものが少しずつ変わっていきました。

未来図校で起きているのは、就職だけではありません

一般就労につながった方だけが、未来図校で変化しているわけではありません。

たとえば、

・場面緘黙があり、ほとんど話せなかった方が、他の人と世間話をするようになった。

・慣れない場所へ行くことが難しかった方が、地域の企業などへ営業活動に行けるようになった。

・人付き合いが苦手で攻撃的になることがあった方が、穏やかに人と関われるようになった。

・生活介護を利用していて「B型の利用は難しいのでは」と思われていた方が、今ではさまざまな作業に取り組んでいる。

・自分の意見を聞かれると「わからない」と答えていた方が、自分の考えをたくさん話せるようになった。

・知的障害のある方が作業やラジオ活動でリーダーを経験し、集団をまとめる役割を担うようになった。

こうした変化の先に、一般就労という選択肢が見えてくる人もいます。

だから未来図校では、就職活動だけを「就職支援」だとは考えていません。

安心できる居場所をつくること。
役割をつくること。
人と関わること。
自分で考え、自分の意見を伝えること。
そして、自信を取り戻していくこと。

それらも一般就労へ向かうための大切な土台だと考えています。

一般就労を目指すなら、就労移行支援だけが選択肢ではありません

「将来は一般企業で働いてほしい」

そう考えたとき、就労移行支援を思い浮かべるご家族も多いと思います。

もちろん、就労移行支援が適している方もいます。

一方で、

「働きたい気持ちはあるけれど、まだ毎日は通えない」

「生活リズムから整えたい」

「コミュニケーションに自信がない」

「長期間ひきこもっていて、まず家から出るところから始めたい」

という方もいます。

そんな方に知っていただきたいのが、

「就労継続支援B型から一般就労を目指す」という選択肢です。

未来図校では、B型に長く通ってもらうこと自体を目的にはしていません。

本人が「企業で働きたい」と考えているのであれば、その希望を大切にします。

未来図校の一般就労までの流れ

未来図校では、一人ひとりの状態に合わせながら、おおむね次のようなステップで支援を行います。

相談・見学

利用開始

目標設定

安心して通える環境づくり

生活リズムを整える

作業や活動の中で役割を持つ

本人の得意・苦手を知る

外出・企業見学

キャリアコンサルタントとの相談

本人に合った企業・仕事を探す

企業実習

面接

就職

就労定着支援・訪問型ジョブコーチ

必要に応じて、ハローワーク、相談支援事業所、医療機関、ご家族などとも連携します。

企業開拓、職場見学、企業実習、履歴書作成、面接練習、企業との事前調整なども行います。

ただし、すべての人がこの順番・スピードで進むわけではありません。

本人が望んでいないのに就職を急がせることはしません。

数を打つ就職活動ではなく、その人に合う一社を探す

未来図校が就職支援で大切にしていることの一つが、企業とのマッチングです。

応募件数を増やすことを目的にはしません。

「どこでもいいから就職する」のではなく、

「この人なら、どんな環境で力を発揮できるだろう」

と考えます。

そのため、本人の希望だけでなく、特性、得意・不得意、生活状況、働ける時間などを確認しながら仕事を探します。

企業側とも事前に話し合い、必要であれば実習を行います。

採用されることだけではなく、その後も働き続けられることを考えて就職先を探す。

それが未来図校の就職支援です。

就職がすべての人のゴールではありません

開所以来就職した7名のうち、1名はその後退職しています。

一般就労そのものを一つの大きな目標としていた方で、実際に就職を経験したことで本人の中で一区切りとなり、退職を選択しました。

就職すれば、すべて成功。

退職したら、すべて失敗。

私たちは、そう単純には考えていません。

大切なのは、本人がどう生きたいのか。

そのために今、何を経験する必要があるのか。

本人を置き去りにして、ご家族や支援者だけで人生を決めることもしません。

失敗することもあります。

その失敗を責めるのではなく、次にどうするかを一緒に考えます。

「この子は働けるのだろうか」と悩んでいるご家族へ

長い間ひきこもっている。

昼夜逆転している。

人とうまく話せない。

仕事が続いたことがない。

今は週5日なんて到底通えない。

障害福祉サービスを利用したいけれど、障害者手帳もなく、どこから相談したらいいのか分からない。

そんな状態を見て、

「一般就労なんて無理なのではないか」

と思っているご家族もいらっしゃると思います。

未来図校を利用した方の中にも、最初から一般就労が見えていたわけではない方がたくさんいます。

20年間ひきこもっていた方も、最初の一歩は週1回、午前中だけでした。

そこから8か月後、企業で働き始めました。

もちろん、同じ支援をすれば誰もが8か月で就職できるという意味ではありません。

一人ひとり、必要な時間も支援も違います。

だから私たちは、最初から「できる」「できない」を決めたくありません。

まずは、未来図校を見学してみませんか

私たちがご家族に伝えたいことがあります。

だめかどうかは、やってみなければわかりません。

最初から週5日通えなくてもいい。

人とうまく話せなくてもいい。

今すぐ就職活動ができなくてもいい。

本人の中に「いつか働きたい」という気持ちがあるのなら、その気持ちを大切にしたいと思っています。

できない理由を探すのではなく、

「どうやったらできるか、一緒に考えていきましょう」

未来図校 静岡キャンパスでは、ご本人はもちろん、ご家族からのご相談も受け付けています。

福祉サービスの利用方法が分からない、障害者手帳がない、どこへ相談したらいいのか分からないという段階でも、まずはご相談ください。

一般就労を目指す道は、一つではありません。

その人にとってどんな一歩がいいのか。

まずは未来図校 静岡キャンパスを見学して、私たちと一緒に考えてみませんか。

お問い合わせは、電話・お問い合わせフォーム・メール・InstagramのDMから受け付けています。

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