なぜ福祉施設がラジオをやるのか?就労継続支援B型が挑戦する“声”の社会参加

「なぜ福祉施設がラジオをやるのですか?」

これは、私たち株式会社8ユニットが運営する、静岡市の就労継続支援B型事業所「未来図校静岡キャンパス」で『8ユニットラジオ』を始めてから、本当に何度も聞かれてきた質問です。

「就労継続支援B型」と聞くと、多くの人は内職や軽作業、ハンドメイド、農作業などをイメージするかもしれません。もちろん、それらも大切な仕事です。しかし、私たちがそれ以上に大切にしていることがあります。

それは、「社会とつながる体験」です。


目次

1. 障害福祉における“働く”の前に必要なステップ

障害のある方の中には、過去の経験から以下のような悩みを抱えている方が少なくありません。

  • 人と話すことが怖くなってしまった
  • 自信を失い、長く引きこもっていた
  • 「自分には価値がない」と感じてしまう

実は、就職するための“働く技術(スキル)”を身につける前に、「誰かと関わる」「自分の言葉を話す」「役割を持つ」「『ありがとう』と言われる」といった、人としての安心感や自己肯定感を得る経験が必要な場合が多々あります。未来図校では、この土台作りこそが重要な「就労支援」だと考えています。


2. 『8ユニットラジオ』で生まれる、一人ひとりの“役割”

私たちが運営するミニFM「8ユニットラジオ」では、利用者さんが主体となって番組を制作しています。

活躍の場は、マイクの前で話すパーソナリティだけではありません。

  • 音響(ミキサー操作)
  • タイムキーパー
  • 番組の構成・企画
  • BGM・音楽選び
  • 録音・編集
  • 企業への営業・スポンサー対応

ラジオ制作には、驚くほど多くの「役割」が存在します。 「自分にもできることがある」「必要とされている」という実感が、少しずつ人の心を動かしていきます。

実際、以前は人と関わることが苦手だった利用者さんが、今では自らスポンサー企業へ営業に行くようになりました。放送前日に「しっかりした姿で行きたい」と、自分でスーツを買いに行かれた方もいます。

ラジオは単なるレクリエーション(趣味活動)ではありません。障害を持った方の「社会参加そのもの」なのです。


3. “声”だからこそ踏み出せる、社会とつながる第一歩

ラジオというメディアには、不思議な力があります。

  • 顔を出さなくてもいい(匿名性の安心感)
  • 少し緊張していても、自分のペースで参加できる
  • 失敗しても、仲間と一緒に笑い合える
  • そして、自分の「声」が電波に乗って誰かに届く

「自分の声が社会に届いている」という実感は、「社会の中に、自分の確かな居場所がある」という自信へとつながっていきます。


4. 地域企業(静岡)と育む、新しい障がい者就労の循環

現在、8ユニットラジオは地元のスポンサー企業様(現在4社)に支えられています。

スポンサー企業様が応援してくださっているのは、単なる一つのラジオ番組ではありません。障害のある方が「地域と関わること」「新しいことに挑戦すること」「役割を持つこと」、そして「社会とつながること」。このポジティブな循環そのものを支えてくださっています。

私たちはこのラジオ活動を通して、「障害があっても、地域の中でごく普通に、自分らしく生きていける社会」を、静岡の街から少しずつ作っていきたいと思っています。


まとめ:声を届けることは、想いをつなぐこと

ラジオを始めてから、未来図校の利用者さんたちの表情は見違えるほど明るくなりました。

「次のリハーサルはいつですか?」 「今度はこんな企画をやってみたいです!」

そんな前向きな言葉が、毎日のように飛び交っています。

自分の声を社会に届けるということは、自らの「想い」を誰かにつなぎ、居場所を作っていくこと。だからこそ、私たちは今日もマイクに向かい、ラジオを続けています。


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