就労継続支援B型|静岡市 「ただの福祉」では終わらせない。未来図校が「ガチ勢」と呼ばれる理由
世の中には多くの就労継続支援B型事業所がありますが、自分たちのことを「ガチ勢」と呼び、周囲から「尖っている」と言われる場所はそう多くないでしょう。今回は、静岡にある未来図校という事業所が、なぜ「厳しい」と言われながらも圧倒的な結果を出し続けているのか、その舞台裏を紐解きます。
1. 「誰でもできること」を「やり続ける」という尖り
未来図校では、活動の一環としてラジオ番組を制作しています。機材を揃えて喋るだけなら、正直「誰でもできる」ことかもしれません。しかし、実際には多くの場所では機材を買って1回やって満足して終わってしまい、継続することができません。
未来図校の「尖り」とは、こうした「誰にでもできるようなこと」を、決して諦めずにやり続けることにあります。2年目に突入したこのラジオ活動も、単なるお遊びではありません。試行錯誤を繰り返し、修正を加えながら継続した結果、スポンサーを獲得するに至っています。この「とりあえずやってみる、そして続ける」姿勢こそが、他所にはない強みなのです。
2. 「たまたま」ではない、意図された「就職率」
未来図校の大きな特徴は、その圧倒的な就業実績です。3年間で7名の就職者を出し、他の事業所と比較しても極めて高い移行率を誇っています。
特筆すべきは、それが「もともと一般就労ができる能力があった人が、たまたま就職した」わけではないという点です。サポートがなくても就職できる人が「たまたま」実績になるケースもありますが、未来図校は違います。例えば、20年以上引きこもりだった方が、企業で働ける状態になるまで徹底的に試行錯誤し、手厚いサポートと教育を行う。この「ゴールまで決して諦めない」熱量とバイタリティこそが、未来図校の真骨頂です。
3. 「構造型」の厳しさ:耳の痛い言葉が、成長の種になる
未来図校は、しばしば「厳しい」と評されます。その厳しさには3つの側面があります。
- 現実をはっきり伝える: 課題をそのまま伝え、耳の痛いことも隠しません。
- 行動を求める: 「次、どうするか」という具体的なアクションを促します。
- 成長を前提とする: 「できるようになる」と信じているからこそ、高い期待値を持ち、甘やかしません。
多くの支援現場では「共感」や「安心感」が重視されますが、未来図校は「構造型」の支援を行います。共感型は優しく安心感がありますが、変化が起きにくい側面もあります。未来図校があえて相手が触れたくない課題を明確に指摘するのは、そこを明確にしないと本当の出発ができないと考えているからです。
4. 格差や差別を超えて、「自分らしく」生きるために
最近注目されている「ヘラルボニー」のように、障害者のアートにビジネス的な価値をつけるモデルもあります。しかし、未来図校の視点は少し異なります。
アートを「お金に変える仕組み」に特化しすぎると、一部の天才的な才能を持つ人だけが恩恵を受け、結果として新たな格差や差別を生む危険性があるのではないか、と私たちは考えます。それは「誰もが自分らしく」ではなく、結局はお金に振り回される世界になりかねないからです。
未来図校が目指すのは、特別な才能の有無にかかわらず、「やってみる」ことの大切さを学び、社会と関わり、自立していくことです。たとえ絵が下手でも、普通に会社勤めをして生きていく方が気持ちが楽な場合もある。そうした「現実的な自立」にフォーカスしています。
最後に:なぜ離脱率が低いのか?
これだけ厳しく、高い目標を掲げる「ガチ勢」の集まりでありながら、未来図校の利用者の離脱率は非常に低いのが現実です。
それは、利用者の皆さんが「なぜここに来るのか」という目的を明確に持っているからです。単なるお金や安心感のためではなく、自分を変え、結果を出すために、未来図校の熱量に共鳴して集まってくれています。
「福祉だから」という甘えを捨て、結果にコミットする。 そんな少し変わった、でも最高に熱い場所が、未来図校という事業所なのです。

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