健常者と障がい者の間に本質的な違いはあるのか?
就労継続支援B型事業所で支援員として働く私は、日々さまざまな障がいを持つ方々と接しています。その中で、事業所の職員と利用者という関係性から、健常者が障がい者よりも優位に立つ構図が生まれてしまう現状に疑問を抱いてきました。
確かに、障がいの特性によって得意なことや苦手なことは異なります。例えば、知的障がいを持つ方はイメージしたり深く考えることが苦手な場合があり、発達障がいを持つ方は自己肯定感が低く人間関係の構築に困難を感じることがあります。また、精神障がいを持つ方は疲れやすく、精神的な体調の変化に対応が難しいという特性もあります。しかし、これらはあくまで「できないこと」の一部に過ぎません。
健常者と障がい者の真の違いとは?
私が考える健常者と障がい者の真の違いは、「今ある自分の能力で社会生活に支障があるか、ないか」という一点に尽きます。健常者にも得意なことと苦手なことがあり、たまたまその”できないこと”が社会生活に支障がないレベルであるだけなのです。
障がいを持つ方の中には、特定の事柄を深く追求できる人(知的障がい)、合理的に仕事をこなせる人(発達障がい)、そして非常に繊細な心の持ち主(精神障がい)など、多様な「できること」を持っています。
つまり、健常者と障がい者の本質は何も変わらないと私は考えています。もし違いがあるとすれば、それは「障がい者手帳を持っているか、持っていないか」という形式的なものに過ぎません。本来、「障がい」という言葉が持つネガティブなイメージは、その本質とはかけ離れたものなのです。
対等な社会を目指して
障がい福祉サービスを提供する事業所においても、職員と利用者に優劣はなく、管理する側とされる側の関係も存在しないはずです。健常者が障がい者を差別することは決して許されるべきではありません。なぜなら、誰もが対等な存在だからでです。
マジョリティ(多数派)である健常者の皆さんに、今一度、障がいを持つ方と自分の立場を入れ替えて考えてみてほしいと思います。根拠のない偏見はありませんか?もしあるのなら、なぜその偏見を持っているのか、考えてみてください。
そして、マイノリティ(少数派)である障がいを持つ皆さんは、今置かれている環境を観察し、マジョリティに対して強く我慢していることがあれば、信頼できる人にその苦しさを伝えてください。
障がいの有無にかかわらず、誰もが自分らしく生きられる社会になることを心から願っています。
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